感覚に頼らない!構成案をロジックで組み立てる方法|AI活用で効率化するステップ
参考にした構成が“本当に正しいのか”不安になる瞬間
「他サイトを参考に構成を作ってみたけど、これでいいのだろうか…」
──そんな不安を感じたことはありませんか?
- 競合LPを真似したけど、自分の商品に合っているのか分からない
- 情報を削れず“全部盛り”になってしまう
- 構成の順番に自信が持てず、説明も曖昧になる
これは多くのデザイナー・ディレクターが抱える典型的な悩みです。
「参考例に合わせる」だけでは、自分の案件にフィットする構成にはならない からです。
構成案に必要なのは、“感覚”ではなく 「ロジック」=目的・主張・根拠を整理して、“なぜそうしたか”と“何を達成するか”を結びつける考え方。
この記事では、
- なぜ参考例ベースだと失敗しやすいのか
- 構成をロジックで整理する「思考フレーム」
- 実際のLPを例にした応用方法とプロンプト活用
を紹介し、「どの案件にも応用できる構成思考」 をお伝えします。
目次
なぜ構成案が“しっくりこない”のか?
構成案を考えるとき、多くの人がまずやるのは「他サイトの参考探し」です。
もちろんリサーチは大事ですが、そのまま真似しても 「今回の案件に合っているのか?」という不安 が残ります。
理由は大きく3つあります。
1. 目的やKPIが案件ごとに違うから
競合の構成が「資料請求数アップ」に最適化されていても、あなたの案件は「初回購入CVRアップ」かもしれません。
ゴールが違えば、必要な要素・並べ方・強調点は当然変わります。
2. ターゲットの心理が違うから
同じ化粧品でも、「20代向けプチプラ」と「30代向け高保湿」では、ユーザーの不安も期待もまったく違います。
参考構成は万能ではなく、誰に向けるのかを基準に再設計しなければなりません。
3. 意図を言語化できないから
「なんとなく順番を真似した」だけでは、チームや関係者に
「なぜこの順番なんですか?」
と聞かれたときに答えられません。
構成の意図を言葉にできないと、自分でも判断できなくなるのです。
構成をロジックで整理するフレーム
構成案を“勘”ではなく“理由のある設計”に変えるには、
「目的 → 主張 → 根拠 → 見せ方 → ゴール」 の流れを整理するのが一番シンプルです。
これを私は 「ロジック表」 と呼んでいます。
各セクションを下記の5つの観点で埋めていくと、自然に筋の通った構成になります。
セクション | 目的(何を達成する?) | 主張(ひとことで伝えたいこと) | 根拠(証拠・データ・具体例) | 見せ方(UX/UIの工夫) | ゴール(どんな行動を期待?) |
---|---|---|---|---|---|
ファーストビュー | 興味を引きつけ、安心させる | 「30秒でしっとり肌に」 | 医師監修・有効成分 | 余白+商品寄りビジュアル | CVボタンのクリック |
実感セクション | 使用後の効果を伝える | 「1週間で乾燥小ジワを改善*」 | ユーザーの口コミ・写真 | Before/After比較 | 詳細ページへの遷移 |
信頼セクション | 不安を和らげる | 「返金保証付きで安心」 | 実績数・返品条件 | FAQ+アイコン表示 | 離脱防止 |
※ *は広告規制上の表現調整が必要な場合があります
実例で学ぶ:美容液LPをロジックで組み立てる
ここでは、30代女性向けの高保湿美容液(初回購入CVアップが目的) を例にして、ロジック表をどう使うかを見てみましょう。
ロジック表(例)
セクション | 目的(何を達成?) | 主張(ひとことで伝えたいこと) | 根拠(証拠・具体例) | 見せ方(UX/UI) | ゴール(期待する行動) |
---|---|---|---|---|---|
ファーストビュー | 安心感+興味喚起 | 「30秒でしっとり、忙しいあなたに」 | 医師監修・成分エビデンス | 商品寄りビジュアル+余白、CTA固定 | CVボタンのクリック |
実感セクション | 効果の実感を伝える | 「1週間で乾燥小ジワが気にならなくなった*」 | 利用者の口コミ3件+写真 | Before/After比較カード | 滞在時間→CTAクリック |
成分セクション | 信頼性を裏付ける | 「高保湿成分×浸透技術」 | 成分表・臨床データ | 図解・アイコン化 | 詳細ページ閲覧 |
信頼セクション | 不安を解消する | 「返金保証付きで安心」 | 実績数・返品条件 | FAQ開閉UI | 離脱率↓ |
クロージング | 行動を後押し | 「今なら初回70%OFF」 | 限定キャンペーン情報 | 強調CTA+カウントダウン | 購入CV |
※ *広告規制に配慮して表現調整が必要な場合あり
BeforeとAfterの違い
❌ Before(よくある“参考ベース”)
- 構成:ファーストビュー→成分→口コミ→価格→CTA
- 説明:「他社LPを参考にこの順番にしました」
- 問題点:目的とのつながりが弱く、自分でも説明できない
✅ After(ロジック表ベース)
- 構成:ファーストビュー(安心)→実感(共感)→成分(裏付け)→信頼(不安解消)→クロージング(行動促進)
- 説明:「目的=初回購入CVR向上。そのために、安心→実感→根拠→保証→特典の流れを作りました」
- ポイント:“なぜその順番なのか”を自分で説明できる
自分の判断力を育てる:「1行理由文」テンプレ
ロジック表で構成の流れを整理できても、そのままでは「なぜこの構成にしたのか」を他の人に伝えるのが難しいことがあります。
そこで役立つのが、「1行理由文」 です。
各要素に短い説明をつけておくだけで、関係者に意図を明確に共有でき、自分自身も迷わなくなります。
フォーマット
[要素]は、[誰]が[どう感じる/どう判断する]ために、[根拠]に基づいて採用。
美容液LPの場合
- ファーストビューの“皮膚科医監修”コピー → 「初めて商品を見る30代女性が“安心できそう”と感じるために、医師監修の事実に基づいて採用。」
- 口コミセクション → 「購入を迷っているユーザーが“効果があるかも”と想像できるように、利用者の写真つき口コミ3件を採用。」
- 固定表示のCTAボタン → 「スクロールしても迷わず購入できるように、常に視界に入る位置に固定して採用。」
ChatGPTを活用した実務への落とし込み
ここまで紹介した「ロジック表」と「1行理由文」は、自分で考えて埋めても良いですが、最初は時間がかかるものです。
そこで活用したいのが ChatGPTなどの生成AI です。
以下のようなプロンプトを使えば、思考整理を効率的に進められます。
1) ロジック表のドラフト作成
あなたはコンバージョン設計に強いUXプランナーです。
以下の要件から、各セクションを「目的/主張/根拠/見せ方/ゴール」で整理した表を作成してください。
【要件】
ターゲット:30代女性/商品:高保湿美容液/目的:初回購入CVR向上/制約:医師監修コピー必須
2) 各要素の「1行理由文」を生成
以下の構成要素について、それぞれに「1行理由文」をつけてください。
フォーマット:「[要素]は、[誰]が[どう感じる/判断する]ために、[根拠]に基づいて採用。」
3) 想定される反論と対策を洗い出す
この商品の購入をためらう人が持つ典型的な不安(価格・信頼・効果など)を列挙し、
それぞれの不安を解消する要素をLP構成のどこに組み込むべきか提案してください。
まとめ:構成案に“ロジック”を持たせることの意味
構成を作るときに「他社がそうしているから」ではなく、
「なぜこの要素が必要で、何を達成するためなのか」を整理して言語化できること。
これができれば、
- 自分の判断に自信が持てる
- 関係者とも認識を揃えられる
- 参考事例をただ真似するのではなく、自分の案件にフィットさせられる
さらに、ChatGPTを使えば思考整理や下準備を効率化でき、構成の精度とスピードが同時に高まります。
最終的には、自分一人で構成を考え、根拠を持って判断できる人材になること。
それが、デザインを“センス”から“戦略”に変える第一歩です。